(2025.5.21 更新)

GA4 - アクセス解析で見つけるWeb改善のヒント

GA4 - アクセス解析で見つけるWeb改善のヒント:目次

Googleアナリティクスの新バージョン「GA4(Google Analytics 4)」を使えば、ユーザー行動をより深く可視化でき、WEBサイト改善に役立つ実践的な示唆が得られます。本記事では、GA4を使ったアクセス解析の基本と、改善に繋げるための活用ポイントをご紹介します。

WEBサイトのアクセス解析とは

アクセス解析の目的

WEBアクセス解析とは、WEBサイトを訪れるユーザーの行動や属性を把握し、WEBサイト改善やマーケティング施策に活かす手法です。近年はページビュー(PV)や直帰率といった単純な数値だけでなく、『どのような行動を取ったのか』『何を見てどこで離脱したのか』といった、より深い行動分析が重視されています。

GA4では従来の『セッション』軸ではなく、ユーザーの行動を軸とした『イベントベースの計測』により、ユーザー1人ひとりの行動を柔軟に追跡できます。

GA4で何がわかる?

アクセス解析でわかることは、利用する解析ツールによって少し異なります。最も使われているアクセス解析ツール、 Google 社が提供する GA4 の場合だと下記のようなことが解ります。

  • ページを10秒以上見たか
  • CTAボタンを押したか
  • サイト内検索やスクロールを行ったか
  • コンバージョンにつながったページや導線

GA4では『直帰率』よりも『エンゲージメント率(平均エンゲージメント時間など)』が重視されます。
また、コンバージョンをイベントとして自由に定義することも可能になりました。
(例:CTAボタンクリック、スクロール率、フォーム送信などを自由にトラッキングなど)

他にも得られるデータは沢山あります。これらを多面的に比較・分析することによって、WEBサイトの目標達成への手がかりを探します。

Google アナリティクス で外部リンクのクリック数を計測』では、外部サイトとの関わりをGoogle アナリティクスで調査する方法を紹介しています。

もしアクセス解析がわからなくてもご安心ください。WEBサイトリニューアルをご検討の際は、アクセス解析についても合わせてご案内いたします。詳しくは『事業案内』をご覧ください。

エンゲージメントとは何か?

これまでのアクセス解析では、『ページビュー数』や『直帰率』など、数としての成果を重視する傾向がありましたが、ユーザーの反応や満足度までは見えてこないという課題がありました。そこで登場したのが、『エンゲージメント』という視点です。

GA4のエンゲージメント

GA4では『直帰率』は基本表示されず、“エンゲージメント率”が中心指標となりました。『ただアクセスしただけ』のユーザーと、『ちゃんと見てくれた』ユーザーを区別できるのがGA4の大きな特徴です。これにより、短時間でも意図ある行動を取ったユーザーをポジティブに評価できるようになっています。

エンゲージメントの条件
  • 10秒以上滞在した
  • コンバージョンイベントを起こした(ボタンを押す・送信するなど)
  • 2ページ以上見た

GA4の活用法

GA4のレポートでは『エンゲージのあったセッション数』や『平均エンゲージメント時間』などが可視化されます。

活用例
  • 読み飛ばされているページはエンゲージメント時間が短い → コンテンツ改善へ
  • フォームやCTAが機能していない → コンバージョンが少ないが、エンゲージメント率は高いなら導線見直し
  • トップページに長く滞在されている → 他ページ誘導の設計不足の可能性

アクセス解析での目標設定

WEBサイトの目標(ゴール)を決める前に明確にしたいのは、WEBサイトの目的(存在意義/役割)です。何故ならWEBサイトの目的の違いで求める成果や関わる人員が変わってくるからです。下記は考え方の参考事例ですが3つのパターンをご紹介いたします。

WEBサイトの目的による違い

広告媒体としてのWEBサイト

WEBサイトを広告媒体として考えると、例えばセールごとにページにクリエイティブが発生したり、WEBサイトへの流入部分でインターネット広告が必要になります。セールの売上げ目標に対して、何パーセント位のコストを広告費に充てられるか?そしてその中で何割のコストをWEBサイトにかけられるかを考えてWEBサイトの目標数値を設定します。

コミュニケーションメディア

2010年以降に、企業のブランディングツールとしてWEBサイトを活用する、オウンドメディアが注目されはじめました。例えば、無料のブログを一人で運営するケースもあれば、コカ・コーラ社のように大規模なサイトと運営人員をかかえるケースもあり、WEBサイト運営にかかるコストの幅はとても広いです。

WEBサイト成功の定義は単純に売上げでは無く、ファンをどれだけ育成するかも大きな要素となります。このように、メディアとして運営されるWEBサイトは、企業のPR (パブリック・リレーション)的役割を担うことが大きいです。このような手法はコンテンツマーケティングと呼ばれ、WEBマーケティングのトレンドのひとつとして注目があつまりました。

設備としてのWEBサイト

インターネットを流通チャンネルとし、WEBサイトは営業所という考え方です。その営業所には何人の人員を配置して、どれだけの利益を上げないといけないか?その観点から初期投資、ランニングコストに対して目標数値を設定していきます。

WEBサイトの目的・存在意義は、ここにザっとあげただけでも中身がかなり違います。WEBサイト運営目標を決める前にWEBサイトの存在意義を明確にして、ステークスホルダーで共有することが大切です。『WEBサイトで成果を出すために最初に考えること』では、目的の定義や目標の設定方法を紹介しています。

ページの性質による違い

先ほどWEBサイトの目的によって課題が変わることを述べましたが、ページの性質によっても目的(存在意義)が変わるので、それに沿った目標をたてる必要があります。

ランディングページ(LPO)の場合

ランディングページの場合は、リスティング広告などから流入したユーザーに商品を買ってもらうという明確な目的があります。どの広告からアクセスして、どのボタンが押され、滞在したユーザーの何%が購入にいたったかを分析します。

予め広告などからページへ流入されることが予想され、それに備えてページを準備することをランディングページ最適化(LPO)と呼びます。

ニュースやストーリー記事などの場合

ニュースなど読み物ページの場合、ぺージ自体に何らかの機能があるわけではないものの、記事を読ませたいという明確な目的があります。この場合、何人のユーザーが何分位該当ページに滞在したかが重要になります。また、該当記事以外にも再訪してくれる確率はどれくらいか?(再訪率)をチェックすることも大切です。

ノウハウ記事

本記事のようなノウハウ記事の場合は、該当ページで『ユーザーの目的を達成させる』という目的があります。一人あたりのぺージ閲覧数が増えた場合、該当ページに満足のいく内容がなかったのではないか?と疑う必要もあります。ノウハウに対して何度か深い理解をしてもらい、認知と信頼を得ることが目的が本ページにはあります。もちろん再訪してもらうこともとても重要です。

本ページの目的はWEBリテラシー向上による市場の成熟と弊社ノウハウを共有することによるブランディングです。PR(パブリックリレーション)の文脈で運営しています。

アクセス解析をする前に、WEBサイトで何を実現したいか?を考えることはとても大切です。実現したい目標によって気をつけなければならない数字、比較しなければならない項目が変化します。きちんと目的を意識して目標設定をした後で、アクセス解析をするのに、どのような情報が必要か見極めましょう。

もしアクセス解析がわからなくてもご安心ください。WEBサイトリニューアルをご検討の際は、アクセス解析についても合わせてご案内いたします。詳しくは『事業案内』をご覧ください。

課題をアクセス解析ツールで可視化

WEBサイトの目的や役割を明確にしたうえで、達成すべき目標を設定すると、はじめて「何を改善すべきか」という課題が具体化されます。その段階でアクセス解析ツールの選定を行いましょう。
中でも、無料で高機能な Google アナリティクス(GA4) の導入はもはや必須となっています。GA4は導入コストがかからず、幅広い行動データが取得できるため、大きなメリットがあります。

正確なユーザー理解には複数の視点が必要

アクセス解析ツールを使えば、ユーザーが「どこから来て」「どのようにサイト内を移動し」「どこで離脱したのか」といった行動を可視化できます。
目的に応じて、たとえば以下のような課題を特定できます:

  • なぜフォーム送信が少ないのか?
  • どのページでユーザーが滞在・離脱しているのか?
  • サイトの導線に無駄がないか?

解析ツールによってデータの取得ロジックや集計方法が異なるので、同一ページにおいても数値がばらつくことがあります。精度を高めるためには、複数のツールを併用してクロスチェックすることも有効です。

事前に比較視点を設定し、継続的にモニタリング

改善につなげるには、ユーザー行動に関するチェック項目を事前に設定し、定期的にデータを計測・比較することが重要です。比較機能がないツールの場合は、Excelなどで数値を一覧化・可視化するだけでも傾向がつかみやすくなります。
より専門的な視点での競合調査をご希望の場合は、『 WEB戦略 / 競合調査・分析』もご参照ください。

比較・分析で活用したいチェック項目の一例
  • 昨年対比や直近3ヶ月での数値変化の把握(トレンド分析)
  • 直帰率の高いページの離脱要因を推測
    GA4では直帰率の代わりに「エンゲージメント率」が活用されます)
  • ページ滞在時間とコンテンツ量・質のバランス確認
  • A/Bテスト的な比較:ページAとページBのパフォーマンス比較

このような分析結果は、見やすくフォーマット化して記録を残すことで、将来的な改善提案や報告資料としても高い活用価値があります。

アクセス解析が難しいと感じる方もご安心ください。WEBサイトリニューアルをご検討の際には、解析結果の読み解き方や改善提案も含めてサポートいたします。
詳しくは『事業案内』をご覧ください。

GA4 - アクセス解析で見つけるWeb改善のヒントのまとめ

アクセス解析は、単にアクセス数を見るだけでなく、ユーザーの行動や関心を深く理解するための重要な手段です。特にGA4では、「エンゲージメント率」などの指標を通じて、ユーザーがどれだけ積極的に関わってくれたかを可視化できます。

WEBサイトで成果を出すには、まず目的と目標を明確にすることが第一歩。そのうえで、GA4を活用して行動データを分析すれば、改善すべきポイントが具体的に見えてきます。

「数字の見方がわからない」「どう活用すればいいのか不安」 そんな方には、目的整理から解析・改善提案まで、私たちがご支援いたします。いつでもお気軽にお問い合わせください。

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