スマートフォン操作アクション名称一覧|UI設計に活かす基本知識

(2025.6.20 更新)

スマートフォン操作アクション名称一覧|UI設計に活かす基本知識:目次

スマートフォン操作アクション名称

タップ

指一本で画面を軽くタッチする操作で、主にリンクやボタンの操作に使われます。パソコンにおける“クリック”に相当し、スマートフォンの操作でもっとも頻出の基本動作です。UI設計では、タップ操作が「迷いなく行える」ことが快適さの第一歩となります。

タップの動作例
  • リンクを押す
  • アプリを起動する
UIのポイント
  • ボタンサイズは指の平均幅を基準に、最低44px以上が推奨されます
  • 誤タップ防止のため、要素間には適切な余白(8px以上)を確保しましょう

ダブルタップ

画面を素早く2回連続でタップする操作で、画像や地図の拡大・縮小、動画プレイヤーの操作などに使われます。UI設計においては、“意図的にやる操作”として認識されにくいため、代替手段やヒントの提示が重要です。

ダブルタップの動作例
  • 写真や地図を拡大する
  • 動画を10秒スキップする
UIのポイント
  • ダブルタップは無意識で誤作動を誘発する可能性もあるため、明示的なUIとの併用が有効です
  • 高齢者や初心者向けには、ボタンスライダーなどの代替UIも考慮します

長押し

画面を一定時間押し続ける操作です。情報の選択・削除・ドラッグ開始のトリガーなどに使われます。反応速度や意図の明確さが重要となるため、UI設計では「押したことを感じられるフィードバック」が必須です。

長押しの動作例
  • ホームアイコンを長押しし、アプリの設定を編集する
  • テキストを選択する際の開始操作
UIのポイント
  • 反応時間は0.5秒〜1秒程度が一般的です。
  • 押している間の視覚変化で反応が伝わるようにします(例:少し拡大/影が出る)

ピンチイン

2本の指で画面を触れた状態から、指を中央に寄せる動作です。主に画面を縮小する際に用いられます。片手では操作しにくいため、UIに補助ボタンや“戻る”導線があるとユーザー負荷を下げられます。

ピンチインの動作例
  • 拡大した画像や地図を元のサイズに戻す
  • 写真ビューアで引きの視点に戻る
UIのポイント
  • 補助的に [縮小] ボタンを配置しておくとアクセシビリティ向上します
  • 操作説明なしでも直感で使えるよう、UIヒントを設けるとベターです。(例:アニメーション等による変化)

ピンチアウト

2本の指で画面をタッチし、外側に広げる動作です。主に画像や地図の拡大表示で使われます。小さい画面・片手操作では使いにくいため、操作が必要なUI設計では“代替導線”の有無が鍵になります。

ピンチアウトの動作例
  • 地図や画像を拡大表示
  • グラフの詳細データを拡大して確認
UIのポイント
  • 狭い画面ではジェスチャー検知が困難なこともあるため注意です。
  • タップで段階的に拡大/ボタン操作で拡大できる設計も併用すると親切です。

ドラッグ

画面に触れたまま、指を動かして対象を移動する操作です。UIパーツや要素の並び替えなどに使用されます。移動開始のきっかけ(長押し or 即ドラッグ)やドラッグ可能範囲の提示がUXに直結します。

ドラッグの動作例
  • アプリの並び替え
  • カレンダーの予定を移動
UIのポイント
  • 「ドラッグできること」を視覚的に明示します。(例:ハンドルやアイコン)
  • 移動先がわかるリアルタイムプレビューがあると誤操作防止になります。

スワイプ

画面を指でなぞるようにスライドさせる動作です。ページ切り替えやリストのスクロールなどでよく使われます。スワイプの方向・速度に応じた動作は便利ですが、「操作可能であること」を伝える工夫が不可欠です。

スワイプの動作例
  • ホーム画面の横スクロール
  • メールをスワイプでアーカイブ
UIのポイント
  • スワイプ可能領域は明確に示します(例ドットインジケーター/矢印など)
  • 誤操作防止のため、スワイプ幅や速度にしきい値を設けると良いです。

フリック

指を素早く払うように滑らせて離す動作です。操作にスピード感があり、ページ移動や通知の消去などに使われます。反応範囲が広く、誤操作が起きやすいため、設計時には精度と意図の明確さが重要になります。

フリックの動作例
  • 通知を左右にフリックして消す
  • 電子書籍のページ送り
UIのポイント
  • しきい値(一定距離 or スピード)を超えた操作のみ反応させると誤動作防止になります。
  • 指の勢いを利用したアニメーション(スナップ/加速)で操作の快感を上げます

指の操作視点で考える使いやすいUI

スマートフォンにおけるUI設計では、見た目の美しさだけでなく、“指でどう動かすか”という操作のしやすさが、ユーザー体験に直結します。

例えば、ボタンの大きさや配置、スクロールやスワイプの動き方、ちょっとした要素の違いが「押しにくい」「戻りづらい」「意図しない操作をしてしまう」といったストレスを生み出します。

指が迷うUI、ユーザーはすぐ離れる

スマートフォンの操作においては「タップしづらい」「動かしたつもりが動かない」といったストレスが意外なほど多く存在します。指の動きに合っていない設計が、ユーザー離脱の原因になることもあります。

よくある落とし穴
  • 押したいボタンの近くに別の要素があり、誤タップしやすい
  • スワイプ領域がどこまでか不明で、動かしたつもりが反応しない
  • 拡大・縮小が片手操作では成立しない
  • 移動・操作の途中で指が疲れる(距離・面積・繰り返し操作)

UIは“操作されて初めて成立する”

UIは、ただ見た目が整っていれば良いものではありません。どれほど美しいデザインでも、ユーザーが「何をどうすればいいかわからない」「押しても反応しない」と感じた瞬間に、そのUIは“機能していない”と判断されます。

例えば、ボタンが小さすぎて押せない、スクロールがうまく動かない、メニューの存在に気づきません。こうした“操作上のつまずき”は、ユーザーにストレスを与え、目的の達成を妨げる原因になります。

使いやすいUIとは、見た瞬間に使い方がなんとなく伝わり、操作した時に思った通りに動くものです。ユーザーにとって“迷いなく動かせる”という体験こそが、UI設計における最大の価値となります。

使いやすいUIとは
  • タップできる領域が十分な大きさである(最低44px以上)
  • 押した時に反応やフィードバックがすぐ返ってくる
  • ボタンやリンクが見た目ではっきり認識できる
  • スワイプやフリックなどのジェスチャー操作に迷いがない
  • 操作対象と関係ない要素との間隔がしっかり確保されている
  • 拡大・縮小・ドラッグなどの操作が片手でもできる設計になっている
  • UIの動きや位置が予測しやすく、意図と一致している
  • スマホの画面サイズや持ち方にストレスなく対応している

結局のところ、「使いやすいUI」とは、すべてのユーザーにとって“当たり前に使える”ものです。ただ見た目だけでなく、“指と心が自然に動く設計”こそが、本当の使いUIと言えるのではないでしょうか?

スマートフォン操作アクション名称一覧|UI設計に活かす基本知識のまとめ

スマートフォンのUI設計において、「どう見えるか」だけでなく、「どう動かすか」は非常に重要な視点です。タップ、スワイプ、ピンチなど、指の動きに沿って設計されているUIは、誰にとっても使いやすく、迷いなく操作できます。

本記事では、代表的な操作名称とその設計上の注意点を紹介しました。改めて、使いやすいUIとは“指で無理なく、自然に操作できること”が前提にあると気づいていただけたなら幸いです。

設計に迷ったときは、一度スマホを手に取り、“本当にこの動きが自然か?”を問い直してみてください。UIの答えは、いつもユーザーの指の中にあります。

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スマートフォンの操作性を見直したら、その次へ。

スマートフォンにおける「指の動きやすさ」は、単なる使いやすさの話にとどまらず、成果や評価、体験全体にまで影響する重要な要素です。本記事を通して「操作性」の大切さに触れていただいた方へ、この先は、より実践的で、ビジネスや改善に直結する内容をご用意しています。

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