SEOにHTML5構造タグは必要?情報が多くて迷った時の判断軸

(2025.6.26 更新)

SEOにHTML5構造タグは必要?情報が多くて迷った時の判断軸:目次

HTML5とSEO対策

HTML5とは?

HTML5は、2008年にW3Cから草案が公開され、2014年に正式勧告された、現在のWebサイトづくりに欠かせない標準仕様です。ページの構造や意味をわかりやすく伝えることで、ユーザーにも検索エンジンにもやさしい設計ができます。

現在はW3CのHTML5から、Apple・Mozilla・Operaの開発者によって設立されたWHATWGの“HTML Living Standard”が標準仕様として継続的にアップデートされており、より実用的な形で進化し続けています。

HTMLの基本から知りたい方は、あわせて、ホームページに必須!HTMLのおさらいもご覧下さい。

HTML5の特徴

総称としてのHTML5

HTML5は、かつてのHTML単体を指す言葉ではなく、CSS3やJavaScriptなどの周辺技術も含めた“総称”として使われることが一般的になっています。特にJavaScriptは、非同期通信(Ajax)や動的なDOM操作を通じて、よりインタラクティブで高機能なWeb体験を可能にする技術として不可欠です。これらの技術を組み合わせることで、いわゆる“Webアプリケーション”や“ハイブリッドアプリ”と呼ばれる仕組みを構築できます。

Webアプリケーションとは、スマートフォンなどの画面サイズや操作に対応し、高度なユーザーインターフェイスを持ったWebサイトや、インターネット接続だけで利用できるアプリケーションのことを指します。対になるのは“ネイティブアプリケーション”で、これはiOSやAndroidにダウンロード・インストールして使うタイプのアプリです。

HTML5を使ったWebアプリケーションの主なメリットは、次の2点です。

  • ユーザー側でアプリの更新が不要(常に最新状態を提供可能)
  • 一つの制作工程で複数OSに対応可能(iOS/Android問わず展開しやすい)

こうした特性から、HTML5はSEO対策や構造設計だけでなく、Webを活用したサービス開発全般の基盤技術としても位置づけられています。

HTML5の仕様

HTML5では、ページの構造や意味をより明確にするための“セマンティック要素”が導入されました。これにより、コンテンツの役割を示すタグを使うことで、ページ全体の構成を視覚的にも論理的にも整理された形で記述できるようになっています。

セマンティック要素とは?

セマンティック要素とは、見た目ではなく「その部分がどんな役割か」を明確に伝えるHTMLタグのことです。例えば<header> や <nav>、<main>、<section>、<aside>、<footer> などがそれにあたります。HTML5の登場までは、<header>は<div class="header">、<nav>は<div id="menu">といった書き方が一般的でしたが、検索エンジンや読み上げブラウザにとっては“意味が読み取りにくい”ものでした。

下の図は、HTML5の代表的な構造例を示したものです。各要素の名前そのものが役割を示しており、コードを見ただけで“どの部分に何が書かれているか”を理解しやすくなっています。このようなセマンティックな記述は、人間にとっての可読性を高めるだけでなく、検索エンジンにとっての理解のしやすさ(クローラビリティ)にも直結します。

特にSEOの観点では、ページ内で重要なコンテンツがどこにあるのかを明示することが、インデックスの精度向上や評価の安定化につながります。また、音声読み上げなどの支援技術においても、各エリアの役割が正確に伝わることで、アクセシビリティの向上にも貢献します。

HTML5のSEO効果

HTML5による正しい構造の記述は、一定のSEO効果が期待できます。先に触れたとおり、<header> や <main>、<section> などのセマンティック要素を使ってページや文章の構造や意味を明確にすることで、検索エンジンや音声ブラウザを利用するユーザーが内容を正確に把握しやすくなります。

ただし、現在のWeb制作では多くのWebサイトがすでに構造化を意識して作られているため、「HTML5を使ったから上位表示できる」という直接的な効果は限定的です。むしろ構造を無視した作りや、意味のないマークアップをしていると、検索エンジンから正しく評価されず、マイナス要因になってしまうこともあります。つまり、HTML5による構造の最適化は“やって当たり前の土台”であり、それができていないと競合と差がつく、という理解が現実的です。

HTML5がSEO対策にもたらすメリット

HTML5がホームページにもたらすメリット

HTML5を活用することで、Webサイトの構造を明確にし、検索エンジンにもユーザーにも伝わりやすい設計が実現できます。ここでは、SEOの観点から特に意識すべきメリットを2つ紹介します。

HTML5の互換性と将来性

HTML5は現在の主なブラウザ(Chrome、Safari、Firefox、Edgeなど)で標準対応しており、特別な環境設定を必要とせずに、セマンティック要素や新しい記述方法が利用できます。また、HTML5は継続的に改善が行われている“Living Standard”であるため、時代に取り残されにくく、将来的な仕様変更にも柔軟に対応できるという点で、長期的なSEOや運用面でも安心です。

HTML5の新しい表現

HTML5はこれまでFlashなどのプラグインを使わなければ表現できなかった動きをホームページに実装することが出来ます。動画や音声、またグラフなどのグラフィックな表現までHTMLの制御の基で実装することが出来るようになりました。

コンテンツの意味が明確になり、検索エンジンにも伝わる

<main>や<article>、<section>などを使うことで、「この部分が本題」「これは補足」など、情報の重要度を構造として伝えることができます。これにより、検索エンジンが主要コンテンツを正確に把握しやすくなり、意図したページが検索結果に表示されやすくなるという効果が期待できます。また、構造が整ったHTMLは、支援技術でも扱いやすくなるため、アクセシビリティの向上=ユーザビリティの向上=SEOにもプラスという好循環を生み出します。

HTMLとXHTMLの違いとSEO対策

HTMLとXHTMLの違い

XHTMLは、構文を厳密に記述するという点で、理論上は検索エンジンとの相性が良いとされていました。実際、当時のGoogleも「正しい構文」は評価基準の一部として重視していたと言われています。しかし、現在のSEOでは、構文の厳密性以上に“ページ構造の明確さ”や“コンテンツの意図の伝わりやすさ”が重視されるようになっています。その点でHTML5は、セマンティック要素を通じて、ユーザーにも検索エンジンにも意味が伝わる記述が可能な実用的仕様となっており、モダンなSEOや支援技術対応との相性も良好です。

つまり、XHTMLは理想的だったが、実用上の利便性と持続性ではHTML5が勝った。SEO施策においても、HTML5でセマンティックに記述することが、もっとも安全かつ効果的な選択と言えるでしょう。

SEO(検索エンジン)対策におけるXHTML

XHTMLは、セマンティックな記述を重視するという点で、文章構造を検索エンジンに正確に伝えやすい仕様とされていました。例えば「ここは見出し」「ここは段落」「ここは補足情報」といった役割がコード上でも明確に定義されることで、検索エンジンがページの意図を正しく把握できると期待されていたのです。また、XHTMLでは「文章構造」と「デザイン要素」を明確に分離することが推奨されており、構造はHTMLに、装飾はCSSに分けるという考え方が一般化しました。これにより、HTMLファイルはよりシンプルかつ構造的になり、検索エンジンにとって読み取りやすい状態になったという背景もあります。

一方で、構造と装飾が混在し、意味が曖昧なHTMLファイルは、検索エンジンにとって正確な評価が難しくなる傾向がありました。この点からも、XHTMLは理論上SEOと相性が良いとされていたのです。ただし、現実的な運用の難しさや、仕様の終了、HTML5の台頭によって、現在ではHTML5でセマンティックにマークアップする方が、実装面・SEO効果の両面で合理的とされています。つまり、XHTMLが目指した「意味のある構造」は、今やHTML5でより柔軟かつ実用的に実現できる時代となったのです。

HTML5を活かす実装のポイント

セマンティックなタグを正しく使う

HTML5の構造タグは、使うこと自体より“正しく使うこと”が大切です。例えば <header> や <footer> をページ内に複数使う場合、それぞれの役割(サイト全体のヘッダー/記事ごとのヘッダーなど)を意識して使い分ける必要があります。また、<main>タグはそのページに1つだけというルールがあり、<article>や<section>は文脈上のまとまりがある場合に使用するといった基本的なルールを守ることで、検索エンジンに正しい構造が伝わります。

見た目だけでタグを決めない

「太字だから<strong>」「大きいから<h2>」ではなく、内容の意味や構造に応じたタグの選定が重要です。例えば、見出しとして使っていないのに<h1>を多用したり、逆に見出しなのに<div>で済ませたりすると、SEO評価の妨げになることもあります。

NG例 改善案
全てのブロックを<div>で囲んでいる 意味に応じて<section>や<article>を使う
mainタグが2つある ページごとに1つの<main>だけ使う
見出しの階層がバラバラ(h1→h4→h2など) 見出しは構造を意識して段階的に使う(h1→h2→h3)

SEOだけでなく、UXやアクセシビリティにも貢献

セマンティックなHTMLは、検索エンジンにとって理解しやすいだけでなく、音声読み上げツールや支援技術にも正確な情報を伝えることができます。これはアクセシビリティの向上にもつながり、全てのユーザーにとって使いやすいサイト設計への第一歩となります。

SEOにHTML5構造タグは必要?情報が多くて迷った時の判断軸のまとめ

HTML5は、単なるマークアップ仕様の進化ではなく、意味ある構造を通じて「伝わるWebサイト」を実現するための土台です。セマンティックな要素を使うことで、検索エンジンにとってもユーザーにとっても、情報の意図が正しく届くWeb設計が可能になります。

かつてのXHTMLが追い求めた“厳密な構造化”は、HTML5という実用的な形で受け継がれ、いまやSEOにもUXにも欠かせない考え方となりました。正しく使えば、HTML5はあなたのWebサイトに確かな力を与えてくれるでしょう。“見た目”だけではなく“意味”で伝えること――それが、いま改めて求められているWebサイトの姿です。

また私たちは、SEO対策 に関しましては、御社のWEB戦略パートナーとしてお役に立てるご支援をしています。いつでもお気軽にお問い合わせください。

本情報はページ公開時のものです。情報は常に更新され掲載内容と異なる場合がございます。