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『3つの軸で構成するIRコンテンツのつくりかた』について紹介
『3つの軸で構成するIRコンテンツのつくりかた』について紹介
(2025.9.26)
IRサイトは、投資家やステークホルダーに会社の姿勢や将来像を伝える“信頼の窓口”です。しかし「法定開示を載せて終わり」になっている企業も少なくありません。成果につながるIRコンテンツをつくるには、速報性・網羅性・ストーリー性という3つの軸を踏まえて、計画的に設計することが欠かせません。
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IRコンテンツとは、企業が投資家や株主に向けて財務・非財務の情報を整理し、透明性と信頼を示すために公開する公式な情報発信の窓口です。
投資家に『正しく理解され、適切に評価されること』を掲載目的とすることでIRコンテンツは正しく機能します。
IRコンテンツが正しく機能すれば、企業は適切な評価と信頼を得て成長の基盤を築くことができます。
正しく機能したIRコンテンツは「会社の透明性を示す窓口」となり、「財務改善」や「成長基盤の確保」の手助けとなります。
IR(Investor Relations)は、株主・投資家など出資者に向けて、財務やガバナンスなどの数字と事実を基に誠実に伝える活動です。法令や証券取引所ルールに基づく必須情報が多く、形式も厳格です。
企業価値を正しく理解してもらい、公正な投資判断に役立ててもらうこと
PR(Public Relations)は、消費者や取引先など社会全般に向けて、企業や商品のイメージを広げ、信頼や好感を得る活動です。 必須項目はなく、自由度が高い分、企業が「こう見せたい」というストーリーを盛り込めます。
企業や商品のイメージを良くして、好感や共感を通じてブランド力を高めること
IRコンテンツは信頼と透明性を示す大切な会社の窓口です。この窓口をきちんと整備しなければ、投資家から「なにか情報を隠しているのでは?」という不信感を招き、本来の企業価値が正しく伝わらず、過小評価されるリスクがあります。IRコンテンツをきちんと整備して、投資家に安心してもらうことで、企業は適切な評価を得て成長の基盤を築けるようになります。
IRコンテンツに必要な情報は、まず「必須」を外さず整理し、次に投資家向けの任意情報と近年の+αで厚みを足す。
金融商品取引法などの法令に基づき、上場企業に提出・開示が義務付けられている情報。
※EDINET等の公式電子開示システムで提出・公開
証券取引所が定める上場規則に基づき、上場企業に開示が義務付けられている情報。
投資家の理解と信頼を深めるために企業が自主的に開示する情報。
企業価値を財務だけでなく社会的側面から示すために、近年重視される追加情報。
IRコンテンツをどうやって見せるかを考える時には、細かな要素を組み立てるよりも『速報性』『網羅性』『ストーリー性』の3つを軸にコンテンツを組み立てていくと透明性の高い窓口として機能させることができます。
情報が遅れると不公平や不信感を招く。適時開示や決算速報で早く正確に伝えることが、公正な投資判断の土台。
投資判断には財務・ガバナンス・非財務を含む全体像が必要。法定・取引所・任意開示を一望できる状態が信頼の前提。
数字だけでは将来像は見えにくい。中期計画や戦略が数字と結びつき筋道立てて語られることで、安心して長期投資しやすくなる。
非財務情報とは、売上や利益などの財務データでは示せない企業の持続可能性や社会的責任に関する情報を指します。具体的には、環境(CO₂排出削減や再生可能エネルギー活用など)、社会(人的資本、労働環境、CSR活動など)、ガバナンス(取締役会や内部統制など)の「ESG」に代表される要素が中心となります。これらは短期的な業績では測れない「企業の将来性や信頼性」を投資家に伝える材料として重視されています。
IRコンテンツ制作の出発点は、必要な情報を網羅して揃えることです。
法定開示や取引所ルールに基づく必須情報はまず漏れなく整理し、そのうえで財務ハイライトや決算説明資料といった情報の開示、さらに人的資本やガバナンスなどの非財務情報まで広げることで、情報の全体像が整います。
EDINETやTDnetなどの公式開示システムや自社サイトの過去資料を確認し、古いファイルや重複を整理して最新化することも大切です。また、経営企画や広報だけでなく、人事・環境・法務など部署を横断して情報を集めることで、財務と非財務の情報をバランスよく揃えることができます。
集めた情報はそのまま並べると投資家にとって探しにくいものになります。そこで、IRコンテンツは次の要素に分けて整理するとわかりやすくなります。
適時開示情報や決算短信などの情報をタイムリーに届けます。更新の速さが投資家の信頼へとつながります。
Yahoo!ファイナンスへのリンクを設置したり、その他ファイナンスAPIを利用して株価をリアルタイムに確認できるようにします。
決算ハイライトや主要指標など、企業の現状を数字で示す基盤となります。グラフや表を使い視認性を上げることで、投資家が全体像を把握する手助けをします。
決算短信、有価証券報告書、株主総会資料などの一次情報を体系的にまとめめます。そうすることで、投資家に必要な判断材料を漏れなく提供すことができます。
トップメッセージ、中期経営計画、経営戦略、ガバナンスなど、企業の方向性や姿勢をトップのメッセージとして発信し、数字に意味を与えます。
ESG、人的資本、CSR、サステナビリティなど。短期の業績では伝わらない「将来の持続性」を投資家に示します。
[速報性][網羅性][ストーリー性]の三本柱に沿ってコンテンツを整理すれば、投資家にとって迷いのない分かりやすい構成となり、企業の透明性と信頼性を確実に伝えることができます。
IRコンテンツの表現方法は、[速報性][網羅性][ストーリー性]の三本柱と対応させて整理すると分かりやすくなります。
決算短信や有価証券報告書などの法定開示はPDFで即時に公開されます。統一フォーマットで提出でき、すでに作成されたデータをそのままIRコンテンツに流用できるため、最もスピーディに投資家へ届けられる媒体です。
決算短信や有価証券報告書などをPDFで揃えて公開すれば、投資家は必要な一次情報をダウンロードして一覧で確認できます。証跡として残す意味でもPDFは欠かせません。
同じ情報をHTMLページでも整理することで、投資家は要点をすぐに読め、必要に応じてPDFにもアクセスできます。検索性と読みやすさを兼ね備えるのがHTMLの役割です。
財務データや主要指標をグラフや表に落とし込むと、推移や比較が直感的に伝わります。数字の裏にある戦略や将来像を視覚的に示すことで、投資家に企業の将来像を伝えやすくなります。
非財務情報は、売上や利益では見えない「会社の未来像」を伝える材料です。ESGや人的資本、CSRなどを数字と合わせて語ることで、企業がどんな方向に進み、どんな価値を社会に残そうとしているのかという物語を投資家に示せます
IRコンテンツは更新され続けることで価値を発揮します。どんなに良い構成や表現方法でも、更新が滞れば投資家からの信頼は失われてしまいます。
決算発表、適時開示、株主総会といったイベントに合わせて、あらかじめ更新スケジュールを決めておきます。
誰が原稿を作り、誰がチェックし、誰が公開するのかを明確にします。経営企画・広報・IR担当・情報システムなど、役割を分けて「更新サイクルが止まらない仕組み」をつくることも大切です。
誤記や漏れが投資家の誤解につながるため、二重、三重のチェックをルール化します。特に法定開示とIRコンテンツの整合性は最重要事項となります。
IRコンテンツは、まず法定開示や適時開示といった必須情報を揃えることから始まります。しかし、それだけでは「最低限の窓口」に留まってしまいます。非財務コンテンツの掲載は、短期的な業績では測れない「企業の将来性や信頼性」を投資家に伝える材料として重視されています。
EGSは企業の持続可能性を評価する枠組みで、人的資本やガバナンス、環境対応といったESGに関する情報を加え、将来の持続可能性を示します。
気候変動対策、省エネルギー、再生可能エネルギー利用、廃棄物削減など。
現状では多くが任意での開示で報告義務はないですが、整備ができれば「サステナビリティコンテンツ」としてIRから独立展開できます。
人的資本(教育・労働環境・多様性)、人権、CSR活動、地域社会との関係など。
上場企業では有価証券報告書に人的資本情報の開示義務が課せられています。
※2023年3月期(令和5年3月期)有価証券報告書から適用
企業統治。取締役会の構成、社外取締役の独立性、内部統制、コンプライアンス体制など。
上場企業のIRにおけるGは、コーポレート・ガバナンス報告書が一次情報となります。IRサイトでは、そこに書かれている内容を整理するところからはじめます。
環境・社会・ガバナンスの取組を整理し、財務では測れない企業の長期的価値を投資家や社会に伝える情報コンテンツです。CSRやESGを体系的に整理し「企業価値の全体像」を投資家に伝えます。
IR配下に設置:一般的な上場企業
IR
├─ IR資料
├─コーポレートガバナンス
├─株式情報
├─株主還元方針
└─ サステナビリティ(非財務情報のまとめ)
掲載する情報が少ない場合、有報やコーポレートガバナンスから抜粋し、将来的に並列設置を目指します。
IRと並列に設置:グローバル企業など
サステナビリティ(長期的価値の理念)
├─ CSR(行動)
└─ ESG(評価枠組み)
IR
├─ 財務情報
└─ 非財務情報(=CSR/ESG)→サステナビリティへ
積極的にサステナビリティの活動をしてる場合、随時活動内容を公開して信頼に厚みを作ります。
必須情報の整備が 土台(速報性・網羅性)、非財務や戦略の情報が 厚み(ストーリー性)。これらを重ねることで、IRコンテンツは単なる情報公開の場から「企業の未来像を語る窓口」へと進化します。
IRコンテンツは、まず決算短信や有価証券報告書などの必須情報から出発することが基本です。さらに、速報性・網羅性・ストーリー性を意識した見せ方で信頼を築くことができます。
また、人的資本やガバナンス、環境対応などの非財務情報を加えてストーリー性を高めることで、短期的な業績だけでは見えない企業の将来性を投資家に伝えられます。
運用面では決算や適時開示に合わせて更新フローと責任分担を明確にし、継続的に整備していくことが信頼の維持につながります。こうしてIRコンテンツは「会社の透明性を示す窓口」となります。
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