今すぐできる!WEBアクセシビリティ改善アクション

(2025.6.16)

今すぐできる!WEBアクセシビリティ改善アクション:目次

はじめてアクセシビリティ対応に取り組むとき、特別な知識や大きな予算が必要と感じてしまうかもしれません。しかしながら、実は今日から始められる小さな改善がたくさんあります。アクセシビリティ対応は完璧を目指すよりも、まずは“できることから一つずつ”が大切です。その一歩が、誰かにとっての使いやすさにつながるの、ちょっと良くないですか?

このページでは、いますぐできるアクセシビリティの改善アクションを紹介しています。

画像にalt(代替テキスト)を設定

画像に設定するalt(代替テキスト)は、見えない人への情報提供としてとても大切です。ただの説明ではなく、「何を伝えたい画像なのか」を意識することがポイントです。装飾的な画像は空欄でOK。適切なaltは、支援技術でも検索エンジンでも正しく伝わります。

意味がある画像

altには「その画像で何が伝えたいのか」を書きます

例)商品写真、バナー、地図など

  • OK:青いバックパックを背負った登山者の写真
  • NG:画像1

飾りの画像

alt=""(空にする)ことで、無駄な読み上げを防げます。

例)罫線、アイコン装飾、視覚的な背景

リンク画像

altがそのままリンクの内容を説明するものになるから要注意です。

  • OK:alt="イベント詳細ページへ"
  • NG:alt="バナー"

見出しを適切な順序に設定

見出しは、ページの情報を整理して伝える“道しるべ”のようなものです。順番や階層が整っていると、読み手は内容を直感的に理解できますが、バラバラだと「どこに何が書いてあるのか?」と、頭の中で情報を整理し直す必要があり、ユーザーの負担が大きくなってしまいます。この“考える手間”が「認知コスト」です。

認知コストとは?

認知コストとは、「理解したり、判断したりするために使う脳のエネルギー」のことです。Webサイトを見るとき、内容を一目で理解できれば負担は少なくて済みますが、構造が不明瞭だったり、情報が整理されていないと、「これって何の話?」「どこを見ればいいの?」と考える手間が増えます。

音声ブラウザではどう聞こえる?

たとえば、次のようなHTMLコードがあるとします。

<h1>レシピ</h1>
<h2>材料</h2>
<h3>冷蔵庫の中にあるもの</h3>

このコードを音声ブラウザ(スクリーンリーダー)で読み上げると、以下のように聞こえます。

  • 「見出し レベル1、レシピ」
  • 「見出し レベル2、材料」
  • 「見出し レベル3、冷蔵庫の中にあるもの」

音声ブラウザによって細かな違いはありますが、概ねこのように“見出しの階層”が明確に読み上げられると考えて問題ありません。

見出し構造の役割は「認知負荷を減らす」こと

アクセシビリティにおいて見出しが重要な理由のひとつは、認知コストを下げる、つまり読み手にムダな頭の労力をかけさせない設計をするためです。 また、支援技術を使うユーザーにとっては、見出しをジャンプする機能も重要です。たとえば、スクリーンリーダーでは「次のh2に飛ぶ」といった操作が可能なため、正しい見出し設計をすることで、情報へのアクセス性も大きく向上します。

見出しを構造化する理由
  • 情報構造が明確になり、内容を把握しやすくなる
  • スクリーンリーダーでの見出しナビゲーションが正しく機能する
  • 音声・キーボード操作での移動がスムーズになる
  • 読者が流し読みしやすくなり、回遊性が高まる
  • SEOで検索エンジンに正確な構造を伝えられる

キーボードだけで操作できるか確認

アクセシビリティ対応の基本として、まず確認したいのが「マウスを使わずに操作できるかどうか」です。視覚に障害のある方や、マウス操作が難しい方は、キーボードだけでWebサイトを利用しています。

最低限の確認ポイント
  • Tabキーで、リンクやボタンに順番に移動できるか?
  • Enterキーやスペースキーで、操作を実行できるか?

まずは、ご自身のサイトをキーボードだけで操作してみてください。「どこにいるか分からない」「途中で操作できなくなる」といった箇所があれば、そこが改善のポイントです。

フォーカスの可視化

キーボードで操作する際に、「今どの要素が選ばれているか」が見えることはとても重要です。これをフォーカスの可視化と呼びます。具体的には、ボタンやリンクをTabキーで選択したときに、視覚的に選択中であることが分かる状態が求められます。

フォーカスのアクション例
  • 枠線(outline)や影が出る
  • 背景色や文字色が変わる

見た目と機能のバランス

「見た目をスッキリさせたいから」という理由で、CSSでoutlineを消してしまうケースも少なくありません。しかし、それではユーザーが今どこにいるのか分からず、操作そのものができなくなってしまう可能性があります。 デザイン性とアクセシビリティは、両立可能です。たとえば、次のような工夫で、デザインを損なわずに操作性を保てます。

フォーカスの工夫
  • 見た目に合うカラーで、フォーカスリングをカスタマイズ
  • 角を丸くしたり、影を使って自然な形で目立たせる

「誰でも使える設計」は、まず“操作できること”から。Tabキーひとつで、伝わる優しさと使いやすさをつくっていきましょう。

他にもある!今すぐできる改善アクション

ちょっとした工夫や確認だけで、使いやすさはぐっと向上します。

ボタンやリンクの見直し

  • 「こちら」ではなく、リンク先がわかるテキストにする
  • タップ範囲を広めにして、指でも押しやすくする

フォームの改善

  • 入力欄には**正しいlabel(ラベル)**を設定

色とメディアの配慮

  • 文字と背景のコントラストを確認(4.5:1以上が目安)
  • 画・音声には字幕や文字起こしを
  • 自動再生の音や動きには、停止・音量調整できる手段を設置

このような小さな改善の積み重ねが、「誰にとっても使いやすいサイト」へとつながります。

今すぐできる!WEBアクセシビリティ改善アクションのまとめ

アクセシビリティは、“誰かのため”だけではなく、すべてのユーザーにとっての「使いやすさ」を底上げする設計です。

今日できることから、ひとつずつ。あなたのその小さな一歩が、きっと誰かの「届く」に変わります。

私たちは、WEBサービスのアクセシビリティ対応のご相談はもちろん、御社のWEB戦略パートナーとしてお役に立てるご支援をしています。いつでもお気軽にお問い合わせください。

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