強みを伝わる形にするコンセプト設計

今回ご紹介するお客様は、空調・給排水・生産設備などの設計・施工・メンテナンスを手がける株式会社高尚エンジニアリング様です。

設備工事業では、技術力を強みとして打ち出すことが多いものの、他社との違いに説得力を持たせることが課題となります。リニューアル前のWebサイトにおいても、技術力や品質、仕事への取り組み方といった企業姿勢が十分に伝わらない状態で、信頼につながる情報が不足していました。

弊社では、コンセプトをプロジェクトの軸とし、目的やターゲット、情報設計、コンテンツ、デザイン、機能、運用まで、一貫した考え方で要件定義を行っています。左の資料は、本プロジェクトで実際に使用した要件定義書の目次です。

要件定義の進め方については、Web改善ラボにてシリーズで紹介しています。

要件定義における担当者の業務範囲

目的設定 -コンセプト抽出-

私たちは、同社が大企業との取引を数多く手がけている点に着目しました。

大企業ではサステナビリティや品質管理が重視され、その取り組みは取引先にも求められています。そこで、同社が持つ技術力や品質、環境への取り組みを企業としての強みと捉えました。

実際に使用した要件定義書より「CIの見直し」

目的を「企業姿勢の見える化」と設定し、既存取引先に「これからも安心して設備を任せられる会社」であることを伝え、信頼関係を深めるWebサイトを目指しました。

コンセプト設計 -企業姿勢の見える化-

実際に使用した要件定義書より「リニューアルの目的」

既存のWebサイトや事業内容から、高尚エンジニアリング様が大切にしている企業姿勢を読み取り、「技術・品質・環境・教育・誠実」の5つのキーワードを抽出しました。これらを企業の魅力を伝える軸として、メッセージや情報設計、デザインへと展開しました。

CI刷新|企業の個性を磨く

企業姿勢を視覚的にも伝えるため、CIの刷新に取り組みました。社長が既存ロゴに強い思い入れをお持ちだったことから、地球に見立てたシンボルマークと、社名の頭文字である「KS」のデザインを継承しました。

地球をモチーフとしたロゴは、サステナビリティへの取り組みを伝えるうえでも親和性があります。そこで、既存のデザインを活かしながら、色彩やコントラスト、文字組みのバランスを調整しました。

実際に使用した要件定義書より「ロゴ/VI要件」

メッセージ設計|企業が描く未来像

「確かな技術で、環境にやさしい、豊かな未来へ」

高尚エンジニアリング様が持つ高い技術力を示しつつ、環境への配慮と、その先にある豊かな未来への思いを表現しました。また、「Sustainable Comfort(持続可能な快適性)」という言葉を添え、快適な環境づくりを通じて社会に貢献する企業姿勢を伝えるメッセージとしました。

実際に使用した要件定義書より「コピー要件」

情報設計 -企業姿勢の裏付け-

プロジェクトの目的である「企業姿勢の見える化」を実現するために、新たに「確かな技術」と「サステナビリティ」、2つのコンテンツを用意し、抽出した5つのキーワードを、各コンテンツでどのように伝えるかを設計しました。

実際に使用した要件定義書より「改修範囲」

トップページで企業姿勢を印象付け、各コンテンツでその根拠を具体的に伝えるよう設計しました。「確かな技術」では技術力と品質、「サステナビリティ」では環境への取り組みと人材育成、「事業案内」では具体的な業務内容を紹介することでその根拠を示しました。さらに、Webサイト全体の印象やアクセシビリティへの配慮を通じて、「誠実」という企業姿勢を体現する設計としました。

コンテンツ設計 -企業姿勢の根拠-

企業姿勢を伝えるには、実際に働く人たちがどのような考えを持ち、何を大切にして仕事に取り組んでいるのかを知る必要があります。そこで、社員の皆様に参加いただく座談会を企画・開催しました。

100回を超えるイベント運営で培った経験を活かす

弊社ではこれまで、大小100回以上のイベントや座談会を企画・運営してきました。その経験を活かし、今回も弊社代表が座談会の企画から当日の進行まで担当しました。

座談会を選んだのは、参加者同士の対話から、普段は意識していない仕事へのこだわりや、高尚エンジニアリング様ならではの価値を発見するためです。一人の発言をきっかけに別の社員が経験を語り、そこから新たな話題が生まれる。そうした対話を促しながら、仕事への思いや技術の継承、現場で大切にしていることを掘り下げました。

現場の言葉を、企業の魅力へ

座談会で得られた言葉やエピソードをもとに、事業案内や採用情報などのコンテンツを制作しました。実際に働く人たちの経験や考えを取り入れることで、企業姿勢に具体的な裏付けを持たせるとともに、文章に現場の熱量を加えています。

人と人との対話から企業の魅力を発見し、Webサイトのコンテンツへと展開する。
これも弊社が得意とする仕事のひとつです。

デザイン -メッセージと情報をつなぐ-

ファーストビューでは、子どもが緑の中を駆ける写真と「確かな技術で、環境にやさしい、豊かな未来へ」というメッセージを組み合わせ、高尚エンジニアリング様が描く豊かな未来像を表現しました。その下には、社員座談会での対話から抽出した「管理・提案・対応・人材」に「総合力」を加えた「5つの力」を、円形のビジュアルで配置しました。ファーストビューの写真下部を円弧状にすることで、キービジュアルに続く「5つの力」と視覚的につながるデザインにしています。

ブランディングエリアの連動を解説した図

企業が描く未来像と、それを支える社員の仕事への姿勢を、一連のビジュアルで表現するとともに、ファーストビューからの流れで「確かな技術」への導線が自然に繋がるようにデザインしています。

実際に使用した要件定義書より「トップ構成案」

おわりに
-プロジェクトを貫く軸-

今回のプロジェクトでは、大企業との取引が多いという高尚エンジニアリング様の特性に着目し、「企業姿勢の見える化」を目的に掲げました。そこから導き出した5つのキーワードを軸に、CIの刷新、メッセージ設計、情報設計、コンテンツ制作、デザインまで、一貫した考え方で進めました。

私たちが大切にしているのは、お客様の特性や価値を見つけ出し、プロジェクトを通じて形にすることです。

貴社のWebサイトには、どのような軸がありますか?